誰のためのデザインか。その解を世界で考え続け、徹底したユーザー目線のデザインに取り組む(UIデザイナー・Mariko)―前編―

誰のためのデザインか。その解を世界で考え続け、徹底したユーザー目線のデザインに取り組む(UIデザイナー・Mariko)―前編―
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※この記事は、前編後編の2回に分けてお届けしています。

世界で活躍するクリエイターに、海外で働く上でのキャリア論を語っていただく本企画『STORY』。ここでは、一歩先を行く先輩クリエイターのグローバルな挑戦を取り上げ、次のキャリアとして、世界で活躍することを目指す日本人クリエイターを、より多く輩出していくことを目的としています。

今回は初めて、デザイナーさんにインタビューを行いました。ご協力いただいたのは、UIデザイナーのMarikoさんです。現在は日本ベースで働かれていますが、以前はベトナムでWebディレクター兼ブリッジとして活躍されていました。

高専時代にはエンジニアリングを専攻してプログラミングを学び、その後は美大に編入してデザインも習得していらっしゃるマルチプレイヤーです。Web周りの広い知識と経験を基盤に、社会人になられてからはイギリスで短期留学するなど、世界を舞台にUIデザイナー、そしてWebディレクターとして活躍されています。

これからデザイナー、またはWebディレクターとして世界を舞台に活躍したい方には、特にご覧いただきたい内容となっています。是非、ご覧ください。

Mariko

高専と美大でエンジニアリングとデザインを学んだ後、web制作部門、インハウスデザイン部、ベトナム拠点グロース、toBスタートアップなどに情報設計、デザイン、ディレクターとして携わる。

―今回は、初めてのデザイナーさんへのインタビューです。Marikoさん、お受けいただき、ありがとうございます。それでは早速、これまでのご経歴についてお伺いしたいのですが、幼い頃からデザインには興味があったのでしょうか?

デザイン、と言うよりは、パソコンが好きな子どもでした。

中学生の頃から実家にはパソコン、それもMacがあるという当時では珍しい環境の中で育ちました。親の趣味で、当時は4とかだったフォトショップとペンタブ等も揃っていて、触っていくうちにパソコンを面白いと思うようになっていました

そんな思いもあって、中学校卒業後には工業高等専門学校に入学しました。電子情報工学専攻で、プログラミングを学んでいました。

でも、途中でエンジニアリングには向いていないことが分かったんですよね。(笑)そんな時に思い出したのが、昔から好きだった絵を描くことでした。それに、MS-DOSやWindowsよりもMacの方が面白いと感じていて、自然とそちらで遊んだり勉強したりするようになっていきました。

そんな心境の変化もある中で、高専4年生の時に、大規模演習という2人一組で学生にしては大規模なアプリケーション開発を行う課題がありました。私のチームでは、ポーカーゲームを作ることになったのですが、その中で私はUIに近い部分を担当しました。

今思えば、この時に初めて、UIデザインに興味を持ったのだと思います。これが、デザイナーの道に進むキッカケとなりました。

―なるほど。デザインの入口はUIだったのですね。その後、高専を卒業してデザイナーとしてのキャリアを歩み始めたのでしょうか?

いいえ、その後は美術大学の3年次に編入学しました。ここで、エンジニアリングからデザインに大きく舵を切りました。大学の卒業制作でも、産学協同のUIデザインプロジェクトに手を挙げました。今思えば、何もない所から自分なりに考えて全力で作りきる貴重な経験だったと思います。

大学卒業後は、ネット系の広告代理店に入社しました。でも、すぐにはデザイナーにはなれなくて。

新入社員研修で適性を判断され、配属先が決められたのですが、私はWeb制作部門のディレクターでした。ワイヤーフレームは書いていましたが、その後のデザイン業務はアートディレクターの方に引き継いでいました。ここには、3年近く勤めましたね。

その後転職を考え、転職エージェントの方に相談したのですが、すぐにデザイナーになるのは難しいと言われました。それと同時に、同じようなディレクター職種での転職を勧められたのですが、その時は心が動きませんでした。

当時は、一旦お休みすると同時に、自分が今後何をやっていきたいのかを考える時間が欲しかったんです。

イギリスへ飛び出して分かったのは、日本のデザインの素晴らしさだった

―社会人3年目というと、新社会人としてがむしゃらに働いてきて、やっと少し社会や仕事について分かってきたタイミングですよね。そのタイミングで一度立ち止まり、自分のキャリアについて見つめ直す人も多いと思います。そこからは、どうされたのでしょうか?

その後は5カ月ほど、イギリスに短期語学留学をしました。

―イギリスですか、いいですね!昔から海外には行ってみたかったのでしょうか?

海外に興味はありましたが、その時は何というか、今の自分の世界とは違う世界を見てみたい気持ちの方が強かったですね。イギリスには素晴らしい美術館もたくさんありますし、デザイン先進国のイメージもあって選びました。

楽しいイギリス生活を送っていたのですが、行って、生活してみて感じたのが、日本のデザインも凄いなってことだったんです。

その当時、イギリスにはショートタームビザで訪れていたのですが、延長手続きをすれば、合計1年くらいは居られました。でも、日本のデザインの良さに気付くこともできて、このままイギリスに残る、就職するということを当時は考えられませんでした。

そこで、日本に帰ってデザインの仕事に挑戦しようと思い、帰国して日本で就職活動を行いました。

―日本を飛び出すことで、新たな気付きがあったんですね。その後は、デザイナーとしてのキャリアを歩むことになるのでしょうか?

はい、帰国後はデザインコンサルティング会社で1年ほどアルバイトをし、その後メーカーのインハウスのデザイン部門で働きました。

実は、このメーカーでの仕事に就く前に「この会社を辞める時には、次は海外就職に挑戦しよう」と思っていました。その理由は2つです。

まず1つ目は、イギリスに行った時に心地よいと感じた多様性の中で仕事をしてみたいと思っていたからです。

イギリスは様々な人種・宗教の人が暮らしていることもあって、価値観の違いに寛容です。それに対して、日本では同調圧力のようなものも感じて、違和感を覚えるようになっていたんです。様々な人や価値観があることをそのまま受け入れる自由な雰囲気を居心地よく感じていて、その中で仕事、生活したいと思うようになっていました。

2つ目の理由は、デザイナーとして、多様なユーザー目線でより良いデザインを作りたいと思っていたからです。

私は、デザイナーが何かをデザインする時に、受け取る人はどんな人で、どのような状況で使うのかを考え抜くことが大切だと思っています。そして、この問いに対してどれだけ多くの回答を思い描けるかが重要だと思っています。

また、回答数だけでなく、幅広い回答を想定できることも、デザインのアウトプットの質に関わってくると思っています。

そんな考えからも、日本を飛び出し、世界の様々な人、モノ、生活、文化、価値観などに触れることで、より多様なユーザーにとって良いプロダクトを生み出せるデザイナーになりたいと思っていました。 なので、メーカーでの仕事に一区切りをつけてからは、英語力のブラッシュアップのために2カ月半ほどをセブ島に短期留学に行きました。それから海外求人に絞って転職活動を行い、ベトナムでの現地採用を獲得しました。


後編はコチラ!


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